はじめに
日本交通に対するサイバー攻撃について、新たな動きが確認されました。
ランサムウェアグループ AiLock が、自らのリークサイト上で日本交通を被害企業として掲載し、「2.9TB」のデータを窃取したと主張しています。
現時点で確認できたのは、AiLockが日本交通をリークサイトへ掲載したことです。データそのものはまだ公開されておらず、「Coming Soon」と表示されています。
本記事では、攻撃者の主張を事実として断定するものではありません。現時点で確認できた事実と、攻撃者が公開している内容を区別して整理しています。
現時点で確認できている事実
026年7月15日現在、AiLockのリークサイトには日本交通について次の内容が掲載されています。
ランサムウエアグループAilockのトップページバナー

被害者リスト「日本交通カード」が掲載(拡大図)データはまだ未公開

- 被害企業名:Nihon Kotsu Co., Ltd.
- データ量(攻撃者主張):2.9TB
- 状態:Coming Soon
- 「uncompressed data(非圧縮データ)」との表記
現時点では、実際のデータは公開されておらず、「Coming Soon」と表示されている段階です。
一方、日本交通はサイバー攻撃を受けた事実を公表していますが、攻撃者が主張するデータ流出の内容については調査を継続しています。
AiLockとは
AiLockは2025年頃から活動が確認され始めた比較的新しいランサムウェアグループです。
海外の複数のセキュリティベンダーは、
- RaaS(Ransomware as a Service)
- データ窃取と暗号化を組み合わせた二重恐喝
- リークサイトによる情報公開
という典型的な運営形態を採っていると分析しています。
また…
- ChaCha20暗号
- NTRUEncrypt
- Intermittent Encryption(間欠暗号化)
など比較的新しい暗号化技術を採用しているとの報告もあります。
海外セキュリティベンダーの評価
海外の分析レポートでは、AiLockについて次のような特徴が指摘されています。
- 暗号化だけでなく情報窃取を重視する。
- 規制当局への通報や競合企業への情報提供まで示唆し、心理的圧力を強める。
- VMware ESXiなど企業サーバー環境への攻撃能力を持つ。
- 高速暗号化により検知を回避しようとする。
近年のランサムウェアグループらしい特徴を備えた、新興勢力として注目されています。
現在の段階は「犯行声明」
今回注目すべきなのは、事件がまだ初期段階にあることです。
現時点では、
- システム障害が発生
- 日本交通がサイバー攻撃を公表
- AiLockが犯行を主張
- データ公開を予告(Coming Soon)
という流れまで確認されています。
公開データそのものはまだ確認されておらず、今後どのような展開になるかが重要になります。
今後の展開について(推察)
ここからは推察になります。
過去のランサムウェア事案では、
- カウントダウンの表示
- サンプルデータの公開
- データ全体の公開
という段階を経るケースが多く見られます。
AiLockも同様の手法を採るのか、それとも独自の交渉・公開戦略を取るのかは、現時点ではまだ判断できません。
また、「2.9TB」という数字についても…
- 実際の持ち出し容量
- 非圧縮時の容量
- 交渉上の演出
…など複数の可能性が考えられ、今後の検証が必要です。
ネット探検ラボの視点
本サイトでは、攻撃そのものだけでなく、
「どのような経緯で発覚し、攻撃者と防御側がどのように動くのか」
という点を重視して継続的に観察しています。
事件はまだ動いています。
現段階で断定できることは限られていますが、だからこそ、事実を積み重ねながら時系列で整理することに意味があると考えています。
次回予告
今後、AiLockのリークサイトに新たな動きが確認された場合は、
- データ公開の有無
- 公開方法の特徴
- 日本交通側の発表
- 海外セキュリティベンダーの追加分析
を照らし合わせながら、続報として詳しく分析していく予定です。



コメント