速報RansomHouse ニチレイ掲載Evidence Pack公開

サイバーセキュリティー

2026年7月21日、ランサムウェアグループ RansomHouse は、自ら運営するリークサイトへニチレイを掲載し、「Evidence Pack」と呼ばれる証拠資料を公開しました。

現時点で公開されている内容は、あくまでも攻撃者側が提示した情報であり、その内容を事実として断定することはできません。

一方で、リークサイトそのものは、攻撃者がどのような情報を交渉材料として利用しようとしているのかを分析する上で重要な観察対象となります。

RansomHouseとは

RansomHouseは、LockBitが世界的に猛威を振るったランサムウェア勃興期(2021~2022年頃)から現在まで活動を継続している、比較的歴史の長いランサムウェアグループです。

今回、リークサイトには…

  • Status:EVIDENCE
  • Action:Encrypted
  • Action Date:2026年7月13日

…が表示されるとともに、ニチレイ経営陣へ向けた英文メッセージが掲載されていました。

また、Evidence Packとして複数の業務資料も公開されています。

Evidence Packから読み取れること

公開資料を確認したところ、

  • 営業
  • 商品管理
  • 品質保証
  • 物流
  • 取引先管理

など、複数の業務領域に関係する資料が含まれていました。

一方で…

  • Active Directory
  • バックアップ
  • 仮想基盤
  • システム管理資料

などは確認できませんでした。

もちろん、これは”「存在しなかった」ことを意味するものではありません。”

Evidence Packは攻撃者が選択したサンプル資料であり、公開された範囲だけで侵害範囲全体を評価することはできません。

今回、分析できなかったこと

ネット探検ラボではこれまで、The GentlemenやAiLockのリークサイトを継続的に分析してきました。

これらの事案では、元のディレクトリ構造(Tree構造)を維持したファイル一覧が公開されていたため…

  • ディレクトリ深度
  • フォルダ構造
  • 横展開の範囲

などを分析し、攻撃者が企業システムをどこまで把握していたのかを一定程度推定することができました。

しかし、今回のRansomHouseではTree構造は公開されず、Evidence Packとしてサンプル資料のみが公開されています。

そのため…

侵害の深度や横展開の範囲については、現時点では客観的な評価を行うことはできませんでした。

これは今回の分析における一つの限界でもあります。

ネット探検ラボの視点

リークサイトの「証拠提示」は変化しているのか

今回の観察で、もう一つ興味深い点がありました。

それは、ランサムウェアグループによって、リークサイトでの「証拠提示」の方法に違いが見受けられることです。

ネット探検ラボがこれまで分析してきたThe GentlemenやAiLockでは、Tree構造を維持したファイル一覧が公開されていました。

この形式では、「どの部署」だけでなく、「どこまで侵入し」、「どのようなフォルダ構造を把握していたのか」まで読み取ることが可能です。

一方、今回のRansomHouseでは、Tree構造を伴う目録は公開されず、Evidence Packとして選択されたサンプル資料が提示されていました。

この公開方法では、侵害した業務領域はある程度推測できますが、システム全体の構造や侵害の深度を分析することはできません。

興味深いことに、RansomHouseはLockBitが世界的に猛威を振るったランサムウェア勃興期から活動を継続している比較的歴史の長いグループです。

一方、ネット探検ラボが観察してきた近年の一部のグループでは、Tree構造を伴う目録を公開するケースが見受けられます。

こうした公開方法は、「どこまで侵害しているのか」を視覚的に示し、被害企業に対する交渉上の証拠力や説得力を高めることを意図している可能性が考えられます。

もちろん、現時点でこれを活動開始時期だけで説明することはできません。

グループごとの運営方針やリークサイトの設計思想、交渉戦略の違いである可能性も十分あります。

しかし今回の比較からは、リークサイトは「何を公開したか」だけではなく、「どのような方法で証拠を提示したか」という公開手法そのものも分析対象になることが改めて見えてきました。

ネット探検ラボでは、今後も事例を積み重ねながら、この「証拠提示の進化」について継続的に観察・検証していきます。

まとめ

Evidence Packからは、営業・物流・品質保証など複数の業務領域へのアクセスがうかがえる一方、Tree構造が公開されていないため、侵害の深度や横展開の範囲を客観的に評価することはできませんでした。

しかし、今回の観察では、リークサイトの「公開方法」そのものがランサムウェアグループごとの特徴を示している可能性も見えてきました。

ネット探検ラボでは、今後ProofやFull Data Dumpへの移行があるのかを含め、RansomHouseの動向を引き続き観察していきます。


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