ゼロトラストとは?
📅 最終更新:2026年8月5日
【読み方】
ゼロトラスト
【英語表記】
Zero Trust
(ゼロ・トラスト)
【一般的な意味】
“ゼロトラスト(Zero Trust)”とは、ネットワークの内側・外側という場所だけを理由に利用者や端末を自動的に信頼せず、アクセスのたびに必要な確認を行い、必要最小限の権限だけを与えるというセキュリティの考え方です。
従来の企業ネットワークでは…
- 社内ネットワーク=信頼できる
- インターネット=信頼できない
…という「境界」を中心とした考え方が広く利用されてきました。
会社のネットワークとインターネットの境界にファイアウォールなどを設置し、外部からの侵入を防ぐ考え方です。
しかし、クラウドサービス、スマートフォン、ノートパソコン、在宅勤務、VPN、SaaSなどの普及によって、「会社の内側」と「外側」の境界は以前ほど明確ではなくなりました。
さらに、攻撃者が一度内部ネットワークへ侵入した場合、「内部にいるから信頼できる」という前提そのものが弱点になる可能性があります。
そこでゼロトラストでは、ネットワーク上の場所だけで信頼を決めるのではなく…
- 誰がアクセスしているのか
- 使用している端末は何か
- 端末は安全な状態か
- どの情報へアクセスしようとしているのか
- そのアクセス権限は本当に必要か
- 普段と異なるアクセスではないか
…など、複数の情報をもとにアクセスを判断します。
「何も信用しない」という意味ではない
Zero Trustを直訳すると「信頼ゼロ」となるため、「誰も何も信用しないセキュリティ」と思われることがあります。
しかし、実際には単純にすべてを拒否する考え方ではありません。
重要なのは、最初から無条件に信頼しないということです。
利用者や端末などを確認したうえで、必要なアクセスだけを許可します。
その考え方は、Never trust, always verify(決して無条件に信頼せず、常に検証する)という表現で説明されることがあります。
最小権限
ゼロトラストと密接に関係する考え方の一つが、“最小権限(Least Privilege)”です。
利用者やシステムへ必要以上の権限を与えず、業務や処理に必要な範囲だけアクセスを許可します。
たとえば、ある社員が営業資料だけを利用するのであれば、業務上必要のない管理システムや機密データまでアクセスできる必要はありません。
万一アカウントが侵害された場合でも、権限を必要最小限にしておけば、攻撃者がアクセスできる範囲を抑えることにつながります。
継続的な検証
ゼロトラストでは、一度ログインに成功したからといって、その後のすべての通信を無条件に信頼するとは限りません。
端末の状態、利用場所、アクセス対象、行動の変化などを継続的に評価し、必要に応じて追加認証やアクセス制限を行います。
つまり、「一度確認したから安全」ではなく、状況に応じて信頼を継続的に評価する」という考え方です。
【ネット探検ラボでは】
ネット探検ラボでは、ゼロトラストを単なる製品やサービスの名称ではなく、ネットワークを守るための基本的な考え方として捉えます。
ゼロトラストという製品を一つ導入すれば完成するものではありません。
認証、端末管理、アクセス制御、ログ監視、ネットワーク、クラウドなど複数の仕組みを組み合わせながら、「誰が、どの端末から、何へアクセスしようとしているのか」を確認していく考え方です。
ネット探検ラボでは、その基本姿勢を、「ネットワークを利用するが、無条件には信用しない」と捉えます。
これは企業ネットワークだけの話ではありません。
ホテルや空港などの公衆Wi-Fiを利用するときも、「有名な施設のWi-Fiだから安全だろう」とネットワークそのものを無条件に信用するのではなく、HTTPS、VPN、端末側のセキュリティなどを利用して通信を保護するという考え方につながります。
また、社内ネットワークでも同じです。
- 「社内にある端末だから安全」
- 「VPNで接続してきたから安全」
- 「一度ログインしたから安全」
…という一つの条件だけで信頼を決めることにはリスクがあります。
重要なのは…
- 利用者を確認する
- 端末を確認する
- 必要な権限だけを与える
- アクセス後も状況を確認する
- 異常があればアクセスを制限する
・・・という積み重ねです。
ネット探検ラボでは、「信頼するか、信頼しないか」の二択ではなく、「必要な確認を行ったうえで、必要な範囲だけ利用を許可する」ことがゼロトラストの重要な考え方だと捉えます。
インターネット、社内LAN、クラウド、公衆Wi-Fiなど、ネットワークの場所だけを安全性の根拠にしない。
それがゼロトラストを理解するうえで重要なポイントだと思います。


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