WPA3とは?
📅 最終更新:2026年8月5日
【読み方】
ダブリュー・ピー・エー・スリー
【英語表記】
Wi-Fi Protected Access 3
(ワイファイ・プロテクテッド・アクセス・スリー)
略称:WPA3
(ダブリュー・ピー・エー・スリー)
【一般的な意味】
“WPA3(Wi-Fi Protected Access 3)”とは、Wi-Fi通信を保護するためのセキュリティ規格で、WPA2の後継として登場した方式です。
Wi-Fi Allianceが2018年に発表し、WPA2で長年培われてきたWi-Fiセキュリティをさらに強化することを目的としています。
家庭向けのWPA3-Personalと、企業や組織向けのWPA3-Enterpriseなどがあります。
WPA2から何が変わったのか
家庭用Wi-Fiで重要な変更の一つが、Wi-Fiへ接続する際の認証・鍵確立方式です。
WPA2-Personalでは、PSK(Pre-Shared Key:プリ・シェアード・キー)を基盤とする方式が広く利用されてきました。
WPA3-Personalでは、これに代わって、SAE(Simultaneous Authentication of Equals)
(エス・エー・イー/サイマルテイニアス・オーセンティケーション・オブ・イコールズ)と呼ばれる方式が利用されます。
SAEでは、Wi-Fiパスワードを利用して端末とアクセスポイントが相互に認証し、安全に暗号鍵を確立します。
パスワード攻撃への耐性
WPA2-Personalでは、攻撃者がWi-Fi認証時の通信情報を取得した場合、その情報を持ち帰り、パスワード候補を大量に試すオフライン辞書攻撃の対象になる可能性があります。
WPA3-PersonalのSAEでは、このような取得した認証情報だけを利用して大量のパスワード候補をオフラインで試す攻撃への耐性が強化されています。
ただし、「WPA3なら短く簡単なパスワードでも安全」という意味ではありません。
推測されにくい十分に強いパスワードを設定することは、WPA3でも重要です。
Forward Secrecy
WPA3-PersonalのSAEでは、“Forward Secrecy(フォワード・シークレシー/前方秘匿性)”も重要な特徴です。
これは、将来パスワードが知られた場合でも、それだけを理由に過去に取得された通信を簡単に復号できないようにする考え方です。
一つの秘密情報が後から漏れた場合に、過去の通信までまとめて危険になることを防ぐための重要な性質です。
WPA3-Enterprise
企業や組織向けにはWPA3-Enterpriseがあります。
利用者ごとの認証など、企業ネットワークに必要なアクセス管理を行うことができます。
さらに、高いセキュリティが必要な環境向けには、より強力な暗号要件を利用するモードも用意されています。
WPA2/WPA3混在モード
現在はWPA3に対応していない古い端末も存在するため、Wi-Fiルーターには、WPA2/WPA3-Personalなどの混在モード(Transition Mode)が用意されている場合があります。
これを利用すると、WPA3対応端末はWPA3で接続し、古い端末はWPA2で接続できます。
互換性という点では便利ですが、ネットワーク全体がすべてWPA3だけで構成されている状態とは異なります。
どの端末がどの方式で接続しているのかを理解しておくことが重要です。
【ネット探検ラボでは】
ネット探検ラボでは、現在新しくWi-Fi環境を構築するのであれば、対応機器ではWPA3を優先して利用することが望ましいと考えます。
ただし、「設定画面でWPA3を選択したから、それだけで安全になった」とは考えません。
Wi-Fiの安全性には…
- 暗号化・認証方式
- Wi-Fiパスワード
- ルーターの管理者パスワード
- ファームウェア
- 接続する端末
…など複数の要素が関係します。
特に家庭では、スマートフォンやパソコンは新しくても、テレビ、プリンター、監視カメラ、IoT機器などがWPA3へ対応していないことがあります。
そのためWPA2/WPA3混在モードを利用する場合もありますが、「WPA3という表示がある」ことと「すべての端末がWPA3で接続している」ことは別だと理解しておく必要があります。
また、WPA3を利用していても、ルーターのファームウェアを更新せず既知の脆弱性を放置していれば、別の攻撃経路が生まれる可能性があります。
ネット探検ラボでは、「最新の方式を使うこと」と「最新の状態を維持すること」の両方が重要という視点を重視します。
WEPからWPA、WPA2、そしてWPA3へとWi-Fiのセキュリティは進化してきました。
しかし、セキュリティ技術は一度設定して終わりではありません。
使用している機器、設定、アップデート状況を継続して確認することが、安全なWi-Fi環境を維持するために重要です。


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